保険を検討する時に知っておきたい3つのポイント!

皆さんこんにちは。ファイナンシャル・プランナーの渡邊です。今日は、保険を検討する時に知っておきたい3つのポイントについて書いていきたいと思います。日本人は世界で一番保険が大好きな国民です。きっとあなたも健康保険以外に、何かしら民間の保険に加入していると思います。しかし、あなたは加入している保険の中身を理解して契約していますか?そもそも、保険とはいつからどのような目的で始まったのでしょうか?基本的な保険の特徴と機能、加入しようと思った時に考える大切なことなどをお伝えします。あなたも加入しているはずの保険について、一緒に考えていきましょう。

目次

保険とは

あなたは『保険』と聞いて、どのようなイメージを持ちますか?結婚したら生命保険、子供が生まれたら学資保険、病気に備えて医療保険、リストラに備えて失業保険…万が一があった時に、保険に助けてもらいたいと思うでしょう。この『万が一』というのがポイントです!基本的に、保険は加入すればするほど損をします。それは、保険の始まりや保険会社の経営を考えればわかります。世界の生命保険の始まりは、今から500年以上も前の中世ヨーロッパまで遡ります。中世ヨーロッパには、ギルドと呼ばれる商工業者の同業者組合がありました。その組合では、誰かが生活に困った時や、冠婚葬祭などの時のために、組合員でお金を積み立て、何かあった時にそのお金を使って助け合ってきました。保険とは、皆んなが少しずつお金を出し合って、万が一があった時にお互いを助け合う相互補助の精神で成り立っているのです。その為、保険とは、利益を得たり資産形成をする為のものではないのです。

日本の生命保険の始まり

日本の生命保険の始まりは、1867年に発行された福沢諭吉の著書『西洋旅案内』がきっかけです。福沢諭吉は著書の中で、西欧の保険制度を紹介しました。そして、1881年に福沢諭吉の門下生である阿部泰蔵が、日本初の保険会社である明治生命を創設しました。保険会社を設立した当初は、人の死で金儲けをすることに対するイメージが悪く、なかなか保険制度が普及しませんでした。しかし、生命保険料控除制度の導入などがあり、徐々に保険の認知度が高まっていきました。そして、1945年に第二次世界大戦が終戦し、戦争でご主人を失った未亡人の妻が家庭を守る為に、政府が国策として女性の保険外交員を大量に増やしました。それが、日本が世界でも屈指の保険大国になった要因だと思います。ここでもう一度おさらいです。保険とは、何かあった時にあらかじめ決められた金額が受け取れる仕組みです。日本人が支払っている保険料の総額は世界シェア18%です。そして、日本人の一世帯当たりの平均年間保険料は約40万円で世界トップです!世界で最も長寿な日本人が、世界で一番保険に加入しているのです。何かおかしいと思いませんか?それでは、保険会社はどのようにしてあなたの保険金を準備しているのでしょうか?あなたが契約した保険の保険料の使われ方を見ていきましょう。

保険料の使われ方

あなたが保険を契約する時に、保険会社に保険料を支払いますね。保険会社は、あなたから支払われた保険料を2つに分けて管理しています。あなたの支払った保険料は、純保険料と付加保険料に分けられます。それぞれ、どのような意味を持つのか詳しく見ていきましょう。

  1. 純保険料:将来の保険金支払いに充当される
  2. 付加保険料:保険会社の運営費

純保険料とは、あなたに万が一があった際に、将来受け取る保険金の支払いに使われます。付加保険料とは、保険会社の運営費です。例えば、人件費や広告宣伝費などが該当します。あなたは、保険金を受け取る為に保険に加入しているはずですね。せっかく大切なお金で保険契約をしたのであれば、あなたが支払った保険料の大部分を純保険料に充当して欲しいと思うはずです。しかし、純保険料と付加保険料の内訳を知ると、あなたはきっと驚くことになります。実は、保険契約には驚愕の手数料がかかっているのです!ネット保険の大手、ライフネット生命のHPでは、一部の保険に関して、保険料の内訳を公開しています。保険の種類によっても異なりますが、ネット保険での付加保険料は概ね20%程度です。店舗型大手生保の付加保険料は、30% 〜70%にもなっています。つまり、あなたが支払った大切な保険料の半分以上が、保険会社の手数料になっているのです。これだけ手数料を取れば、街中のショッピングモールに保険の無料相談窓口がある理由もわかりますね。そして、有名芸能人がテレビCMにバンバン出演できる理由もわかります。多くの大手保険会社は、保険料の内訳を公開していません。公開できないほど多くの手数料を取っているということなのです。

解約返戻金に注目

あなたは、保険の無料相談に行ったことがありますか?年齢や家族構成などを伝えると、あなたにオススメの保険のシミュレーションを出してくれます。そこで、どれだけ手数料が取られているのかが簡単にわかる方法があります。1年目の解約返戻金額に注目してみて下さい。解約返戻金とは、保険を途中で解約した時に戻ってくるお金のことです。通常、保険契約は長期に渡る為、契約して1年目で解約することは滅多にありません。しかし、あなたは保険を契約してこんな思いをしたことはありませんか?「この保険、契約してから10年くらいは元本が割れているんだな」というような経験です。なぜ多くの保険が、契約後何年間も元本割れをしているのでしょうか?それは、付加保険料が高すぎるからなのです。先日、お客様のコンサルで保険の相談を受けました。銀行員から外貨建て保険を強く勧誘されたとのことでした。契約内容を見せてもらうと、1年目の解約返戻金は当初元本の30%しかありませんでした。契約後10年目に損益分岐点を迎え、その後は年率3%程度で増えていく貯蓄型保険でした。損益分岐点というのは、損失と利益がプラマイゼロになることです。つまり、損益分岐点までの期間は、一切利益は出ていないということです。保険という商品は、ものすごくマイナスからスタートし、10年程度で損益分岐点を迎え、その後はわずかに増えるようなイメージなのです。その為、保険で資産形成をしようという考えは間違っています。将来の不安に備え、最低限の保障を確保する目的での保険契約は構いませんが、過度に保険に入りすぎるのは間違いなのです。では、保険会社は、どのようにしてあなたの保険金を管理しているのでしょうか?

保険金の運用方法

日本人の多くは、保険にはプラスのイメージを持ち、資産運用にはマイナスのイメージを持っています。しかし、あなたが将来受け取る保険金は、どのように捻出されているのか知っていますか?保険会社は、魔法を使って保険金をあなたにプレゼントしてくれているわけではありません。あなたが支払った保険料を、保険会社は資産運用をすることによって保険金を管理しているのです。保険会社は、国内外の債券や株式、不動産などに投資をし、万が一があった際に保険金が出せるように資産運用をしています。昔は、日本も金利が高かったので、日本国債を買うだけで、高利回りの保険がつくれたのです。しかし、現在のようにゼロ金利時代になると、国債を買うだけでは高い利回りの保険はつくれません。その為、株式の比率を高めたり、国内よりも海外資産を積極的に取り入れるような体制をとっています。つまり、保険会社も積極的にリスクを取っているということです。どうせリスクを取って資産運用をするのであれば、ものすごく高い手数料を支払って保険会社に運用をしてもらうよりも、自分自身で資産運用をした方が賢いと私は思います。それでも保険で資産形成をしたいと思っている方は、貯蓄型保険は高金利時代に契約をするべきです。金利が低い現在は、保険は保険と割り切って、最低限の掛け捨て保険で安心を買うべきです。

こんな保険は要注意

もしも保険を契約しようと思った時に、注意して頂きたいことがあります。それは、出来るだけ保険金や給付金がもらいにくい保険を選ぶということです。簡単に保険金や給付金がもらえる保険は、保険料が割高になっている可能性が高いのです。注意すべき保険の特徴をいくつかお教えします。

  1. 保険料が一生上がらない
  2. 80歳でも加入できる
  3. 入院1日目から給付金がもらえる
  4. お祝い金がもらえる学資保険
  5. 持病があっても加入できる

一般的に保険料は、年齢が若い方が安く、高齢になるにつれて高くなります。その為、保険料が一生上がらないのであれば、若い人の保険料は割高になってしまいます。高齢の人でも加入できる保険は、万が一が起こって保険金が支払われる可能性が高い為、若い人は損をするはずです。給付金やお祝い金はプレゼントではなく、あなたが払い込んだ保険料が戻ってくるだけです。持病があっても加入できる保険は、持病がない人には不利な保険です。このように、保険のCMなどでは、出来るだけ保険を契約しやすいように思わせたり、保険金や給付金がもらいやすいというイメージを植え付けようとします。しかし、このような保険には注意するべきなのです。保険を契約しようと思った時には、次の3つのポイントを思い出して下さい。

  1. 保険とは相互補助の精神で成り立っており、儲かるものではないということ!
  2. 保険会社も資産運用をしており、ものすごく高い手数料がかかっているということ!
  3. 甘い文言に騙されず、掛け捨て保険を基本に考えるということ!

そもそも、保険を検討しようと思っている人が、保険会社に相談に行った場合、保険に入らないという選択はありません。A・B・Cどの保険を契約しますか?ということになるはずです。それは、資産運用でも同じです。投資をしようと思って銀行や証券会社に相談に行った場合、商品を契約させられる可能性が高いということです。そんな時に役立つのは、商品を販売しない中立的なファイナンシャル・プランナーなのです。これからは、相談やアドバイスに対して料金を支払った方が賢い時代が到来します。是非、あなたの家計や資産のことを相談できるお金の専門家を探しておきましょう。このブログを読んで「資産形成に関して相談したい」と思った方は、是非、お気軽に連絡を下さい。全国どこでも対応いたします。マネージュでは、中立的なファイナンシャル・プランナーとして、マネー教育に特化したコンサルティングを実施しています。少しでも興味を持って頂けた方は、LINE@への登録と、セミナー、コンサルにお申し込み下さい。あなたのお役に立てるように、全力でサポートさせて頂きます。

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー/世界最大手、スイスのプライベートバンク勤務時代には、金融資産2億円以上の日本を代表する経営者、開業医、事業法人の資産管理を担当。現在は、一般の方から経営者、開業医などの富裕層まで、幅広い顧客にマネー教育に特化したファイナンシャル・プランニング業務を提供している。

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