皆さんこんにちは。ファイナンシャル・プランナーの渡邊です。秋の学園祭シーズンが到来し『大学のミスター&ミスコンテスト』の時期がやって参りました。そこで今日は、株式投資の銘柄選びに関して書いていきます。私は大学在籍時に株式投資を始めましたが、投資を始めた頃は、個別銘柄を選ぶのが大好きでした。会社四季報を隅々まで熟読し、有望株を発掘するのが楽しみだったのです。投資の世界では『株式投資は美人投票と一緒だ』と言われます。あなたはどんなことに注目して銘柄選びをしていますか?ミスコンのグランプリ受賞者を予想するのと、株価が上がる銘柄を見つけるのには共通点があります。その共通点を意識すれば、個別銘柄選びで失敗をすることはありません。一緒に考えていきましょう。
株式投資は美人投票
株式投資を始めようとすると、まず最初につまずくのが銘柄選びです。私も投資を始めた大学生の頃は、会社四季報を愛読し、銘柄選びに没頭しました。しかし、投資のことを勉強すればするほど、色んな情報が入ってきて混乱してしまいます。この世の中で投資できる銘柄は、一体いくつほどあるのでしょうか?日本の上場株式は、約3600社あります。私たちが新聞やニュースでよく目にする日経平均株価とは、3600社の銘柄のうち、たったの225社の株価を表しているだけです。更に、アメリカではニューヨーク証券取引所に約2300社、ナスダック市場に約3000社の合計5300社に投資ができます。他にも欧州株、中国やインドなどの新興諸国、今注目されている東南アジアのASEAN諸国などにも投資ができます。つまり、株式投資ができる銘柄は、何万社、何十万社にも及ぶのです。あなたは、この中からどのようにして銘柄を選んでいますか?株式投資は美人投票と一緒です。ミスコンのグランプリを投票するイメージで、株式投資の銘柄を選びます。
あなたの好みはどれ?
実際に、ミスター&ミスコンテストに参加をしているような気持ちで、次のケーススタディに取り組んでみて下さい。男性編と女性編の2パターンの事例を紹介します。あなたの選んだ人がグランプリを受賞することができれば、あなたは株式投資でも成功します。
ミスターコンテスト編
次の男性4人の中から、あなたが最も好みのタイプを選んでください。一番投票が多かった男性が、ミスターコンテストのグランプリです。
【エントリーNo.1】
Aさん:アメリカンフットボール選手(32歳)
アメフトのトッププレーヤーで年収は10億円。怪我は多く、あと数年で現役を引退。
【エントリーNo.2】
Bさん:IT企業の経営者(48歳)
IT企業の経営者で年収は4億円。バツイチだが、性格も温厚で誠実な人柄。
【エントリーNo.3】
Cさん:不動産オーナー(39歳)
若くして両親を亡くし、不動産を相続。年収は8億円だが、朝から晩までワインを飲んでいる。
【エントリーNo.4】
Dさん:公務員(45歳)
公務員で年収500万円。趣味は読書で子供好き。
ミスコンテスト編
次の女性4人の中から、あなたが最も好みのタイプを選んでください。一番投票が多かった女性が、ミスコンテストのグランプリです。
【エントリーNo.1】
Aさん:アパレル会社勤務(26歳)
アパレル会社勤務のOLでファッションセンスは抜群。性格は明るく、同性の友人も多い。
【エントリーNo.2】
Bさん:信用金庫勤務(24歳)
信用金庫勤務のOLで趣味は茶道。京都の有名企業のご令嬢で、栄養士の資格も保有している。
【エントリーNo.3】
Cさん:スポーツインストラクター(29歳)
スポーツジムでインストラクターをしている。マッサージの資格も保有していて、疲れた体を癒してくれる。
【エントリーNo.4】
Dさん:スーパーモデル(35歳)
グローバルで活躍するスーパーモデル。年収は10億円あるが、性格はキツイ。
好みは人それぞれ
ケーススタディのミスター&ミスコンテストで、あなたは誰に投票をしましたか?外見を重視するのか、性格を重視するのか…あるいは経済力を重視するのかなど、人の好みは様々です。そもそも、美男美女であればコンテストで必ず勝てるというわけではありません。何度も言いますが、人の趣味はそれぞれです。あなたの好みが、世の中の人と一致しているのかは分かりませんね。コンテストで勝つためには、組織票を獲得することが大切です!どんなに外見や性格がイマイチでも、組織票を獲得できれば、コンテストでは優勝できます。『株式投資は美人投票である』と言いましたが、あなたが投資をした株に、世の中の人が同じように投資をするとは限りません。株価は、買い注文が多ければ上がり、売り注文が多ければ下がります。どんなに業績が良くても、買い注文が入らなければ上がりませんし、どんなに業績が悪くても、みんなが買えば株価は上がるのです。株式投資の世界でも、組織票を意識することが大切です。
株を買っているのは誰?
投資で成功するためには、まずは誰が株を買っているのかに注目します。なぜなら、あなたのような個人投資家がどれだけ株を買っても、”大きな力”には敵わないからです。組織票を意識しながら、今誰が株を買っているのかを知ってください。JPX日本取引所グループのホームページに、誰がどの程度株を買っているのかを示す所有者別株式数のデータが掲載されています。2018年度の保有株式割合は次の通りです。
2018年度投資主体別保有株式割合
- 政府・地方公共団体…0.2%
- 金融機関…26.6%
- 証券会社…2.7%
- 事業法人など…23.8%
- 外国法人など…24.9%
- 個人…21.7%
日本の株式を保有している個人投資家の割合は、たったの2割しかありません。あとの8割は、外国人や年金基金などの機関投資家が保有しているのです。金融機関の保有割合の中には、年金での運用や投資信託での運用が含まれます。外国法人の保有割合の中には、海外の年金基金などの資産が含まれます。圧倒的に影響力があるのは、機関投資家の莫大なマネーです。
機関投資家の動きに注目
ミスコンの投票で組織票を獲得することが大切だと言いましたが、株式投資の世界で組織票は機関投資家の動向です。あなたが1000万円や1億円程度の株を買ったところで、マーケットには何の影響も出ないのです。機関投資家の資金は、何兆円という莫大な規模なのです。その為、機関投資家が株を買えば株価が上がり、機関投資家が株を売れば株価が下がるのです。あなたが会社四季報を熟読し自分好みの銘柄を探しても、マーケットはあなたの好みを聞いているのではないということです。通常、景気が良ければ株価が上がり、景気が悪ければ株価は下がります。しかし、不景気にも関わらず株価が上がってしまうことがあります。2019年11月現在、私には日本を含めて世界経済が好調だとは思いません。むしろ、景気はピークに達しており、いつ不景気が到来してもおかしくないとさえ思っています。今株価が上がっているのは、機関投資家が買っているというだけです。機関投資家がたくさんの株を保有しているということは、将来、かなり大規模な売りが待っているということです。株価の上昇につられて、今慌てて株を購入している個人投資家は、要注意をしたほうがいいと思いますよ。投資で勝つコツは、誰も注目していない時にコッソリ買って、機関投資家の買いが入り株価が上昇したら、スパッと売り抜けることです。あまり欲をかかずに、コツコツ資産を増やしていく姿勢が大切です。株式投資もミスコンも、あなたの好みを聞いているのではりません。常にアンテナを張って、”大きな力”と同じ戦略をとることが重要なのです。このブログを読んで「家計の見直しや資産形成に関して相談したい」と思った方は、是非、お気軽に連絡を下さい。全国どこでも対応いたします。遠方のお客様は、zoomというアプリを利用して、お互いのパソコンの画面を見ながらコンサルを行います。マネージュでは、中立的なファイナンシャル・プランナーとして、マネー教育に特化したコンサルティングを実施しています。少しでも興味を持って頂けた方は、公式LINEへの登録と、セミナー、コンサルにお申し込み下さい。あなたのお役に立てるように、全力でサポートさせて頂きます。