クリスマス商戦と株価の関係…サンタクロースからのプレゼント!

皆さんこんにちは。ファイナンシャル・プランナーの渡邊です。最近、街中のイルミネーションが点灯し始めましたね。今年も残すところあと2ヶ月です。この時期になると、気になるのはクリスマス商戦です。アメリカでは、11月から12月が最も商品が売れる時期なのです。クリスマス商戦の盛り上がりと株価には密接な関係があります。クリスマス商戦が盛り上がれば景気が良い証拠であり、反対に、クリスマス商戦が盛り上がらなければ不景気の証拠だと考えられます。株式投資には、上がりやすい季節と下がりやすい季節がありますので、アノマリーをしっかりと意識して、大きな流れに逆らわないことが鉄則です。では、クリスマス商戦とは一体どのようなものなのかを一緒に考えていきましょう。

目次

クリスマス商戦

アメリカでは、11月の第四木曜日が感謝祭(Thanksgiving Day)で祝日です。感謝祭当日は、小売店などで大幅なセールが実施され、いよいよクリスマスに向けて年末商戦のスタートとなるのです。アメリカは、個人消費がGDPの7割を占めるほど消費大国です。世界で最もショッピング好きのアメリカ人が、1年で最も買い物をするのがクリスマス商戦の時期なのです。世界中の子供たちがサンタクロースにプレゼントをお願いしたり、孫や子供にプレゼントを用意したり…夫婦や恋人、友人同士でプレゼントを贈りあったりするため、小売業が最も稼げる時期なのです。株価は景気の先行指標なので、クリスマス商戦が盛り上がれば好景気、クリスマス商戦が盛り上がらなければ不景気の証拠です。11月から12月の時期は比較的株価が上がりやすい時期ですが、クリスマス商戦の具体的な流れをもう少し詳しく見ていきましょう。

ブラックフライデー

ブラックフライデーとは、11月の第四金曜日のことです。感謝祭(Thanksgiving Day)の翌日に、感謝祭プレゼントの年に一度の在庫一掃セールが実施されます。スーパーやデパートなどで大安売りが実施される為、徹夜で並ぶ人もいるくらいお祭り騒ぎになるのです。買い物客が殺到して、小売店が1年で最も売り上げが上がり黒字になる為、ブラック(黒字の)フライデー(金曜日)と呼ばれているのです。昔は、物を買うためには実店舗に行って、現物を見てから購入していました。しかし、現在のようにインターネットが発達してくると、買い物の仕方も変わってきます。最近では、実店舗で買い物をするよりも、ネットでの買い物が増えているのです。そこで登場したのが、サイバーマンデーという言葉です。

サイバーマンデー

サイバーマンデーとは、感謝祭明けの月曜日のことです。感謝祭当日や翌日のブラックフライデーには、実店舗へ出向いて買い物を楽しむお客さんが多いのですが、週明けの月曜日からはいよいよオンラインでのセールが開始されます。既に買いたいものが決まっている場合、オンラインでの買い物の方が価格が安く、実店舗のように行列に並ぶ必要もありません。値段も安く手間もかからないオンラインショッピングが流行し出したため、実店舗の売り上げが徐々に減り、アメリカのトイザらスは2017年に破産法を適用し閉店しました。これからは、ますますネットショッピングの売上高が増えていくと思われます。アメリカは、キャッシュレス社会です。現金よりも圧倒的にクレジットカードを決済で使用します。クレジットカードの利用も、オンラインショッピングが加速する要因だと思います。

クリスマス商戦時期は株高

株式投資には様々なアノマリーがありますが、11月から12月のクリスマス商戦時期は、株高になる傾向があります。それは、アメリカ人の金融資産の構成比にも関係があります。アメリカは、世界屈指の投資大国です。金融資産の半分以上を預金で保有している日本人と異なり、アメリカ人の金融資産の多くは株式や債券、投資信託などの有価証券で保有しているのです。アメリカ人が保有している金融資産のうち、預金で保有している割合はたったの13%しかないのです。その為、クリスマス商戦でプレゼントを買う時に、保有株が値上がりしていないと困るのです。私たち人間は、常にお金の価値を一定に考えることはできません。一生懸命仕事をして稼いだ100万円は大切に使い、投資で儲かった100万円はパーっと使うのです。行動経済学で「あぶく銭効果」と言われています。同じお金でも、簡単に手に入れたお金はすぐに使ってしまうのです。その為、クリスマス商戦の時期は、株高に持っていった方が投資をしているアメリカ人の資産が増え、消費に回すお金が多くなるのです。クリスマス商戦時期の株高は、サンタクロースから大人へのクリスマスプレゼントなのです。

資産効果

あなたは、資産効果という言葉を聞いたことがありますか?資産効果とは、株や不動産を保有している人が、保有資産の値上がりにより”安心感”が増し、消費に回すお金が増えるというものです。「投資で儲かったからマンションを買おう」と思うのも、資産効果の影響です。資産効果がうまく作用すると、良い景気循環をもたらします。「株や不動産が値上がりする→資産が増えて嬉しい→物を買う→売り上げアップ→企業は儲かる→景気が良くなる」といったゴールデンサイクルになるのです。このような理由から、クリスマス商戦の時期には、世界的に株高にしたいという各国政府の思惑があるのです。

逆資産効果

あなたは、逆資産効果という言葉を聞いたことがありますか?逆資産効果とは、株や不動産を保有している人が、保有資産の値下がりにより”不安感”が増して、消費に回すお金が減るというものです。「投資で損をしたから、買い物などしている場合ではない」と思うのも、逆資産効果の影響です。逆資産効果は、悪い景気循環を引き起こします。「株や不動産が値下がりする→資産が減って悲しい→物を買わない→売り上げダウン→企業は倒産→景気は最悪」といった負のスパイラルになるのです。年に一度のクリスマス商戦時期に株価が大暴落を起こしてしまうと、景気減速に拍車が掛かってしまうのです。

クリスマス商戦関連銘柄

株式投資で個別銘柄を選ぶ時、あなたの身近にヒントはたくさんあります。例えば、クリスマス商戦の関連銘柄は、オンラインショッピングが急拡大しているというニュースからAmazonがあります。そして、キャッシュレス決済というキーワードからVisaカードやMasterカードなどのクレジット会社が該当します。ただし、株価は景気の先行指標です。投資家は、常に未来に期待をして投資をしている為、実際の景気よりも半年程度先を見越して株価は動くのです。その為、クリスマス商戦関連銘柄の株価は既に上がっており、今がピークの可能性もあるのです。株式投資の大原則は、安く買って高く売ることです!『噂で買って事実で売れ』という格言もある通り、みんなが慌てて買うような時は”売り”なのです。今回、ヤフーとLINEの経営統合の話が出てきましたが、賢い人は今買うのではなく、既に持っていた株を売っているはずです。投資のヒントはあなたの周りに必ずあります。常にアンテナを高く張って、予想をすることが大切です。このブログを読んで「家計の見直しや資産形成に関して相談したい」と思った方は、是非、お気軽に連絡を下さい。全国どこでも対応いたします。遠方のお客様は、zoomというアプリを利用して、お互いのパソコンの画面を見ながらコンサルを行います。マネージュでは、中立的なファイナンシャル・プランナーとして、マネー教育に特化したコンサルティングを実施しています。少しでも興味を持って頂けた方は、公式LINEへの登録と、セミナー、コンサルにお申し込み下さい。あなたのお役に立てるように、全力でサポートさせて頂きます。

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー/世界最大手、スイスのプライベートバンク勤務時代には、金融資産2億円以上の日本を代表する経営者、開業医、事業法人の資産管理を担当。現在は、一般の方から経営者、開業医などの富裕層まで、幅広い顧客にマネー教育に特化したファイナンシャル・プランニング業務を提供している。

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