イーロン・マスク氏がツイッターを買収！今後の展望は…

皆さんこんにちは。ファイナンシャルプランナーの渡邊です。今日は、テスラのCEOであるイーロン・マスク氏がTwitterの株式を全株取得し完全買収を提案したニュースについて考察していきたいと思います。マスク氏は4月4日までに、ツイッター株を9.2%取得しており、筆頭株主としてTwitter社の取締役に就任する予定でした。しかし突如、取締役就任辞退を発表…4月14日に、ツイッター株を1株54.20ドルで全株取得して完全買収することを提案したのです。マスク氏とTwitter社の経営陣の間で、取締役就任の経緯や今後の事業展開などで揉めたのでしょう。今後のツイッター株や事業展開はどうなるのかを、私なりに予想してみました。

イーロン・マスク氏によるツイッター買収

テスラのCEOであるイーロン・マスク氏が、ツイッターの全株式を取得し完全買収を提案したことが話題になりました。（2022年4月14日）マスク氏は「言論の自由を守らないことは民主主義を損なう」として、自らがツイッターの株式を取得して経営を立て直そうと試み、今年の1月から密かにツイッター株を買い進めていたのです。今現在の経営陣では、ツイッターの未来が暗いのでは…だったら自分が買収をして、ツイッターの未来を明るくしてやろうという発想ですね。史上最強のCEOといわれるイーロン・マスク氏とは、一体どんな人物なのでしょうか？そして、ツイッターを買収しようと思った本当の目的は何なのでしょうか？マスク氏の生い立ちや経歴を振り返ってみたいと思います。

イーロン・マスク氏の経歴

イーロン・マスク氏は、1971年6月28日に南アフリカで生まれました。父親はエンジニアで母親は栄養士でありながらモデル業もこなす美貌の持ち主でした。マスク氏が8歳の時に両親が離婚し、南アフリカの都市を転々としたそうです。幼少期にかなり苦労したようですね。10歳の時に独学でプログラミングを学び、12歳の時に自分で作ったゲームソフトを販売したというほど、幼少期からコンピューターに強い関心がありました。しかし、学校ではいじめに遭うなど、学校生活でも苦労を経験しています。17歳の時にカナダに移住をし、その後は奨学金をもらってアメリカの超名門であるペンシルバニア大学ウォートン校に編入し、経済学と物理学の単位を取得しました。その後は、スタンフォード大学の大学院へ進学しましたが2日で退学をし、弟のキンバル・マスクとベンチャー事業で起業をします。事業が大成功をして、自社がコンパック社に買収されたことにより2200万ドルを手にしました。その後のキャリアは以下の通りです。

数々の会社を設立しては売却、あるいは出資をして買収などを続け、起業家として大成功をおさめています。誰もが不可能だと考えるミッションを、革新的なアイディアと類いまれなる実行力で次々と成し遂げてきました。この頃のマスク氏は「世の中を良くするために、誰もがやらないことを自分たちがやる！」という理念を掲げ、週に120時間も働くほどハードワークをしていたのでしょう。

今後のツイッターを巡る3つのシナリオ

今後の展開を考える前に、直近５年間のツイッターの株価チャートを確認しましょう。2015年以降長らく低迷していた株価も、2021年後半に持ち直して80ドルを超える高値を付けています。ここ最近は、投資家の資金がIT関連から資源・エネルギー関連へと移ったこととロシアウクライナ危機の影響もあり、2022年に入りツイッターの株価は30ドル台まで下落していました。マスク氏の買収提案価格である1株54.20ドルは適正なのでしょうか？今後のツイッターを巡る展開を3つほど予想をしてみました。投資家の立場、ツイッター経営陣の立場、イーロン・マスク氏の立場で考えてみましょう！

シナリオ①1株54.20ドルで買収

シナリオ②買収価格の更なる引き上げ

シナリオ③買収を諦めて保有株を売却

お金持ちは何をしても許されるのか？

イーロン・マスク氏は、誰もが認める世界No.1のお金持ちです。ブルームバーグ通信「ビリオネアインデックス」によると、4月13日付のマスク氏の資産額は2590億ドル…しかし、そのほとんどをテスラ株やスペースXなどの株式で保有しており、マスク氏がツイッター買収に必要な約400億ドル（5兆円）を現金で保有しているわけではありません。つまり、買収資金を用意するためには、保有株などを担保にして借入をおこすかテスラなどの保有株を売却するしかないのです。保有株の売却で買収資金を用意する場合、ツイッター株だけではなくテスラなど様々な株主にも影響が出てきます。「マスク氏が○○を売却」というニュースが出るだけで、悲鳴を上げる投資家がたくさんいます。実際に、過去のマスク氏の発言により価格が乱高下した事例を見てみましょう。

マスク氏の問題発言

イーロン・マスク氏は、上記のような数々の問題発言をしており、株式やビットコインの乱高下を楽しんでいるようにも思えます。本当にステークホルダーのことを考えていれば、このような軽率な発言をするでしょうか？冗談であっても「自社が破綻した」との発言や「株価が高すぎる」などの発言をして、わざわざ株価を下落させる必要はありません。長期でテスラ株を保有し続け応援してくれている投資家を軽視しているからこそ、自由奔放な発言ができるのでしょう。実は今回のツイッター買収に関しても、マスク氏はルール違反を犯しています。

5%ルールを無視

通常、上場株式を大量購入する場合、株式を購入したことを報告する義務があります。アメリカでは、5%超の保有について、取得から10日以内に米国証券取引委員会（SEC）に届け出を義務付けるという5%ルールが存在します。マスク氏は、2022年1月からツイッター株を買い進めており3月14日に5%超の株主になっていました。ルール上では、3月24日までにSECに報告をしなければいけなかったのですが、実際に報告をしたのは4月4日…これを問題視した他の投資家が集団で、マスク氏を提訴しています。ツイッター株の大量保有報告を遅らせることで株価の上昇を防ぎ、約1億4300万ドルを節約したと訴えているのです。マスク氏がツイッター株を大量購入していると知っていれば、保有株を売らなかったという投資家もいるでしょう。そもそも5%ルールとは、特定の投資家が一度に大量購入することによる株価の乱高下から、一般投資家を守るために出来たのです。（※ちなみに日本では、上場株式を5%超保有する場合、5日以内に内閣総理大臣に大量保有報告書を提出する義務があります。）今回のマスク氏のケースは、明らかにルール違反であり、株価を低く抑えたいために意図的に報告を遅らせたのであれば悪質ですよね。お金を稼ぐこと自体は経済を回すことでもあり素晴らしいことですが、世界No.1の資産家かつ経営者としての品格が問われます。是非とも、世のため人のためになるようなお金の使い方をしてほしいと思います。

まとめ

いずれにしても、世界No.1のお金持ちであるイーロン・マスク氏の影響力は大きいので、ツイッターの経営陣や株主、そしてツイッターの利用者にとって明るい未来が待ち受けている展開になってくれればいいと思います。