新型コロナに対する各国の対応〜今こそ中小企業を守れ!〜

皆さんこんにちは。ファイナンシャル・プランナーの渡邊です。今日は、まだまだ終息の気配を見せない新型コロナウイルスに関して、中小企業に対する各国の対応に関して書いていきます。世の中の9割以上を占める中小企業が消えてしまっては、世界経済は大不況に陥る可能性があります。中小企業や所得が低いフリーランスを救うために、各国政府には迅速に対応してもらいたいと思います。もちろん法人だけではなく、一般の個人も救わなくてはいけません。なぜなら、GDPの6割を占めているのは個人消費ですので、個人がモノやサービスを購入しなくなってしまえば、景気は一気に冷え込んでしまうからです。そこで、新型コロナウイルスによる世界経済への影響と各国政府の対応について見ていきましょう。

目次

世界経済5兆ドル失う

新型コロナウイルス感染拡大による営業自粛や移動規制などにより、世界全体の経済損失が5兆ドル(540兆円)を超す可能性があります。IMF(国際通貨基金)も、2020年の世界経済の成長率予測をプラス3.3%からマイナス3.0%へ引き下げました。この数字は、1929年の世界恐慌以来、最悪の不況に陥る可能性が高いとのことです。そこで、何とかして世界経済の落ち込みを最小限に抑えようと、各国の政府と中央銀行は8兆ドル(約864兆円)の大規模な財政出動を決めました。例えば、アメリカでは、低格付債券を含む社債買い入れや大企業向けの融資で7500億ドル、民間銀行を通じた企業向け融資に6000億ドルを投じます。欧州は、7500ユーロの臨時資産購入プログラムを設定しました。日本も、ETF買い入れ額を年12兆円ペースに拡大しました。世界の中央銀行は、大規模な金融緩和策を導入し、あらゆる資産を金融市場で買い支えに動いているのです。2008年のリーマンショックの時は、2兆ドルの経済損失がありましたが、その時も世界各国の5兆ドルにも及ぶ金融緩和策の導入によって、何とか不況を脱しました。今現状は苦しいですが、みんなで協力して乗り越えるしかありません。次は、各国政府の中小企業向けの支援策に関して見ていきましょう。

各国政府の中小企業支援策

世の中の会社の9割以上は中小企業という現状を考えると、中小企業の存続こそが今後の世界経済の成長率を左右すると言っても過言ではありません。中小企業は、大企業のように手元に潤沢な運転資金を準備していません。少ない資本で世の中に貢献しようと、何とか経済活動を行っているのです。その為、中小企業支援の最大のポイントは、迅速な対応です。各国政府の中小企業支援策を具体的に比較して見ましょう。

  • アメリカ…雇用維持や給与支払い目的での融資は返済不要
  • イギリス…最初の6ヶ月の利子は政府が負担
  • オーストラリア…経営破綻や人員解雇を防ぐ為、最大10万豪ドルを給付
  • スイス…50万スイスフラン(5600万円)まで100%政府が保証し、銀行が無利子・無審査で融資
  • ドイツ…従業員5人以下に9000ユーロ、従業員10人以下に1万5000ユーロを一括で支給
  • 日本…売り上げが半減した企業に200万円、フリーランスに100万円を支給

各国政府の中小企業向け支援策は上記の通りです。問題なのは、支援を受け取るまでの時間です。スイスでは、早ければ申請当日、ドイツでも申請2日後には支援金を受け取れて大変助かったという声があがっています。一方、日本では、売り上げが半減したということが条件ですので、決算書の提出や様々な書類の記入、審査に時間がかかり、実際に支援金が受け取れるのは夏頃という報道も出ているのです。営業自粛や在宅勤務、移動規制などを要請しておいて、補償にこんなに時間がかかっていては、支援金を受け取るまでに倒産してしまう企業が続出する可能性があります。所得税や消費税などの税金はしっかり取って、本当に必要な時に支援も受けられない日本に未来はあるのでしょうか…

自粛と補償はセットで!

私は、いつもは財政規律は非常に大切であると考え、バラマキ政策には反対派です。しかし、世界中で大変な状況に陥っている今こそ、政府がしっかりと補償をする事が大切だと思います。支援策を考えている政治家は、給料が一切減らない為、民間がどれだけ苦しんでいるのかが分からないのだと思います。通常、自粛と補償はセットで行う必要があります。「これだけ補償するので、申し訳ないけれども協力してほしい」とお願いされれば、多くの人は協力すると思います。しかし、「お願いはするけれども、あなたの希望には応えられない」というような事態になれば、国によっては暴動が起こる可能性すらあると思います。様々な医療関係者の声を聞くと、現段階でも医療崩壊の危機に陥っていると言われています。そして、自粛や在宅勤務も長期化懸念が出ており、最低あと1年程度は続く可能性すらあるという医療関係者もいます。さすがにあと1年も続いたら、多くの国民は我慢の限界を迎えるでしょう。新型コロナウイルスの終息を早期に実現するのであれば、圧倒的な補償と徹底的な自粛生活をするしか方法がないのではないかと思います。例えば、全国民に500万円を支給する代わりに、買い物などの必要最低限以外の外出を禁止します。どうしても働かなければいけない医療関係者や食料品売り場などで働いている人には、プラスαの支援金を支給します。そして、全ての税金を免除します。その代わり、不要不急の外出が確認されれば、その人の受け取った支援金は全額没収するものとします。これはほんの一例ですが、日常生活が安心して送れるほどの補償をしてもらえれば、わざわざ外出をする人も減り、政府が目指している人との接触を8割減らせるのではないかと思います。反対に、このくらい大規模な補償が行われない限り、人との接触を8割減らすことは不可能でしょう。今はまず、みんなで協力してコロナの完全終息を実現させるべきです。

来年はV字成長

暗い話題ばかりが続いていますが、明るいニュースもあります。それは、新型コロナウイルスが早期に終息すればという条件付きではありますが、2021年の世界経済のV字回復が見込めるということです。IMF(国際通貨基金)によると、2021年の世界経済成長率を5.8%と予想しています。経済成長率は、前年同期比と比較をしますので、2020年の今年が極端に悪い為、2021年の成長率は大幅に伸びるということです。世界各国の2021年の経済成長率の予想を見て見ましょう。

  • 世界全体…5.8%
  • 日本…3.0%
  • アメリカ…4.7%
  • ユーロ圏…4.7%
  • イギリス…4.0%
  • 中国…9.2%

世界全体でも5%を超える経済成長率が期待でき、ずっとゼロ成長が続いてきた日本ですら3%の経済成長を予想しているのです。もう一つ明るい話題は、新型コロナウイルスが世界中で流行拡大している割に、世界の株価が思ったほど下げていません。「もう十分株価は下がったではないか」と仰る方もいるかもしれませんが、私の個人的な体感では、日経平均株価でいえば12000円程度まで下がっても不思議ではないくらい今の経済状態は悪いのです。なぜ思った以上に株価が下がらないのかは、世界各国の中央銀行が8兆ドルもの大規模な財政出動に踏み切り、金融商品を買い支えているからです。

抑制の反動

人間には欲望があります。新型コロナウイルスが終息さえすれば、今までの自粛生活から解放されるのです。そうすれば、今まで我慢をしていた人々が街へ出ます。外食をし、旅行に出かけ、体を動かし、スポーツ観戦や様々なイベントに出かけます。企業の経済活動も活発になり、再び、モノが売れ始めるのです。大きくジャンプするためには、大きくしゃがむ必要があります。抑制が強ければ強いほど、その後の反動は大きいのです。今は、将来の大きな成長に向けての準備期間だと考え、みんなで協力してひとりひとりが出来る事を頑張りましょう。日本政府には、迅速に国民への出来る限りの補償を求めます。国民あっての政府です!もしも、今回の政府の対応に不信感を持つ国民が、税金の支払いを拒否したり、企業の海外移転が加速すれば、日本の財政はますます悪化することになるのです。一生懸命頑張っている中小企業やフリーランスの皆さん、毎日、慣れないリモートワークで頑張っているサラリーマンの皆さん、ストレスを溜めながらも頑張って家庭を支えている主婦の皆さん…そんな皆さんのお役に少しでも立てるように、近々、YouTubeチャンネルを立ち上げます!分かりやすく資産運用のやり方やマネー教育の大切さなどを動画で公開していきますので、引き続き宜しくお願いします。このブログを読んで「家計の見直しや資産形成に関して相談したい」と思った方は、是非、お気軽に連絡を下さい。全国どこでも対応いたします。マネージュでは、中立的なファイナンシャル・プランナーとして、マネー教育に特化したコンサルティングを実施しています。少しでも興味を持って頂けた方は、公式LINEへの登録と、セミナー、コンサルにお申し込み下さい。あなたのお役に立てるように、全力でサポートさせて頂きます。

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー/世界最大手、スイスのプライベートバンク勤務時代には、金融資産2億円以上の日本を代表する経営者、開業医、事業法人の資産管理を担当。現在は、一般の方から経営者、開業医などの富裕層まで、幅広い顧客にマネー教育に特化したファイナンシャル・プランニング業務を提供している。

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