人生100年時代…私たちは、いつまで働かされるのか?

皆さんこんにちは。ファイナンシャル・プランナーの渡邊です。今日は、人生100年時代において、私たちはいつまで働かされるのかに関して書いていきます。2020年1月11日の日経新聞に『70歳を超えても働く人が過半数』という記事が掲載されていました。人生100年時代を迎えて、高齢者を中心に就労意欲が大きく変わり、高齢者が働き続けることができる環境づくりが求められているという内容でした。しかし、一体どれほどの人が、70歳を超えても真剣に働き続けたいと思っているのでしょうか?生涯現役を貫き、人生を終えたいと思っている人もいるとは思いますが、多くの人は、老後の生活も楽しみたいと思っているのではないでしょうか。では、なぜ70歳を超えても働こうと考えている人が過半数もいるのか、原因を考えていきましょう。

目次

高齢者の就労意欲

医療の進歩とともに平均寿命が延び、日本は香港に次いで世界第2位の長寿国となりました。厚生労働省によると、2018年の日本人の平均寿命は、女性が87.32歳、男性が81.25歳で過去最高を更新しました。1960年の日本人の平均寿命は、女性が70歳、男性が65歳でしたので、大幅に寿命が延びていることがわかります。最近では、70歳や80歳を超えてもスポーツジムで汗を流したり、様々な趣味を楽しむ高齢者の姿も増えています。元気な高齢者の増加により、70歳を超えても働く人が過半数を超えているのでしょうか?「70歳以上まで働くつもり」と回答したアンケート結果を世代別に分析すると、以下のような結果となりました。

  • 70歳代…45%
  • 60歳代…54%
  • 30歳〜50歳代…30%
  • 18歳〜29歳…18%

世代別のアンケート結果では、定年が現実味を帯びる層ほど、高齢まで働く意向があるということが分かりました。この結果から私は、高齢者の人が本当に仕事が大好きで、高齢になっても働き続けたいと思っているとは考えられません。高齢者が70歳を超えてまで働かざるを得ない理由があるのではないでしょうか?

高齢者が定年後も働く理由

現在の日本の定年は、多くの企業が60歳定年で、本人希望による65歳までの継続雇用制度を設けているのが一般的です。高齢者が定年後も働く最大の理由は、老後不安です。日経新聞による調査でも、76%の人が老後に不安を感じていると回答しているのです。では、どうしてこんなにも多くの人が老後に不安を感じているのでしょうか?それは、私たちのライフスタイルの変化があげられます。晩婚化が進み、現在の初婚年齢は男女とも30歳となっていますが、かつては25歳前後で結婚をして出産という流れでした。現在では、第一子出産年齢は30歳超が定着し、40歳を超えてからの出産も珍しくありません。高齢出産は、体調面だけのリスクではなく、金銭的にも厳しいのです。子供1人を育てるのに約3000万円かかると言われていますが、子育て費用で最も多くお金が必要な時期は大学生活です。授業料や仕送りだけで何百万円というお金が必要なのです。40歳を超えてからの出産の場合、自分が定年を迎えてからまとまった資金が必要になります。老後に収入が減る状況で、大きな出費に対して不安を感じてしまうのです。

老後不安を抱く3つの理由

私たちが老後不安を抱く理由は、長生きリスク、金利リスク、年金リスクの3つのリスクがあります。それぞれの原因をもう少し詳しく見ていきましょう。

長生きリスク

1つ目のリスクは、長生きリスクです。冒頭でも取り上げましたが、1960年と比較すると日本人の平均寿命は17年も延びています。長生きをするということは、定年後に必要なお金も多くなるのです。老後に夫婦2人の最低限の生活費が月額22万円、平均的な生活費が月額28万円と言われています。定年後25年間、夫婦で生活をする為には、最低限の生活費で6690万円、平均的な生活費で8400万円ものお金が必要なのです。

金利リスク

2つ目のリスクは、金利リスクです。あなたは、日本の高度経済成長期時代の定期預金金利を知っていますか?1970年代の定期預金の金利は10%を超えていました。一方、現在の定期預金金利は0.01%です。この金利差がどれだけ大きく私たちの生活に影響しているのかを考えたことがありますか?定期預金しかしていない人にとって『金利=お金が増えるスピード』です。1970年代と現在の金利は1000倍も違うのです。それを証拠に、1970年代に金利10%の定期預金をしていた人は、たった7.2年で元本が2倍になりました。しかし現在、金利0.01%の定期預金をしている人は、元本が2倍になるまでに7200年かかるのです。つまり、現在は預金でお金が増える時代ではないということです。

年金リスク

3つ目のリスクは、年金リスクです。日本は国民皆年金制度を採用していますので、最低限、国民年金は支給されます。自営業者などで国民年金のみの受給者は、月額6万5000円が上限です。公務員やサラリーマンなど会社勤めの人は、厚生年金も支給されます。平均的な厚生年金の受給額は、男性が約16万円、女性が約10万円です。しかし、日本の年金制度ができたのは1961年です。平均寿命の延びと少子高齢化による働く世代の減少などにより、現在の日本の年金制度は限界を迎えつつあるのです。その為、国から支給される公的年金以外に、確定拠出年金制度やNISA(少額投資非課税制度)などを利用して、自分自身で老後資金を準備する必要があるのです。

世界の定年制度

世界の主要国の定年制度を確認してみましょう。世界の人々は、老後になっても働き続けているのか、あるいは仕事以外に生きがいを見つけて楽しい人生を過ごしているのでしょうか?

  • 北米(アメリカ・カナダ)…定年なし
  • オセアニア(オーストラリア・ニュージーランド)…定年なし
  • イギリス…定年なし
  • 欧州(フランス・ドイツ・オランダ)…65歳

世界の多くの国では、定年制度を設けていません。海外では、年齢を理由に退職させることを差別的だと判断します。その為、何歳でキャリアを終えるのかは、本人に任されているのです。高齢になっても働き続ける人もいれば、若くして引退する人もいます。欧州諸国では、日本と同様に65歳定年制度を採用しています。しかし、欧州諸国は日本と異なり、社会福祉が充実しています。手厚い年金に医療費無料、高齢者の在宅サービスも無料など、安心した老後生活が過ごせるのです。世界の人々は、老後の不安など一切感じていません。いつまで働くのか、いつ引退するのか、老後に何をして過ごすのかなど、全て本人の自由です。

ワークライフバランスの重要性

私たちの人生には、必ず限りがあります。大切なのは、ワークライフバランスを整えることです。老後不安を感じて、一生馬車馬のように働き続ける人生でいいのでしょうか?世界の多くの人は、人生を楽しんでいます。仕事とプライベートの両方を充実させるにはどうしたら良いのかを考えて生活をしています。アメリカの起業家は、会社が成長したら売却を考えます。そして、会社を売却した資金で、経済的にも時間的にも自由な生活を手に入れるのです。私がオーストラリアに留学をしていた時のホストファミリーは、平日は17時過ぎには帰宅をし、週末はバーベキューを楽しんだり家族との時間を大切にしていました。海外では、「残業=仕事ができない人」と捉えられます。その為、日本人のように朝早くから夜遅くまで働くという文化はありません。仕事は定時までに完璧にこなし、空いた時間は趣味や家族のために時間を使うのです。どうすれば、日本人も海外の人と同じようにワークライフバランスを整えることができるのでしょうか?

金融知識の重要性

ワークライフバランスを充実させる為に必要なことは、経済的自由を手にいれることです。もしも一生安心して暮らせるほどのお金を持っていたら、あなたは70歳まで働きますか?おそらく多くの人は、No!と答えるでしょう。老後不安が全くないにも関わらず、お金のために働き続ける人はいません。では、どうしたら経済的自由を手に入れることができるのでしょうか?それは、金融知識を身に付けることで達成できます。先ほど、世界の人々は老後まで働き続けることなく人生を楽しんできると書きましたが、日本人の年収と外国人の年収は大幅に違うのでしょうか?おそらく、先進国同士で比較をした場合、日本も海外もそれほど大きな違いはないでしょう。最も大きな違いは、マネー教育です。欧米諸国では、小学校からマネー教育を学んでいます。一方、日本では、学校教育課程でお金に関する授業はありません。小さい頃からお金の知識を身に付けて、正しい資産形成をコツコツと行っていけば、私たちが老後になる頃には雲泥の差となってあらわれます。マネージュでは、中立的なファイナンシャル・プランナーとして、マネー教育に特化したコンサルティングを実施しています。会社の福利厚生でマネー教育を取り入れませんか?現役ファイナンシャル・プランナーが、あなたに必要な資産形成の知識を分かりやすくお伝えします。このブログを読んで「家計の見直しや資産形成に関して相談したい」と思った方は、是非、お気軽に連絡を下さい。全国どこでも対応いたします。遠方のお客様は、zoomというアプリを利用して、お互いのパソコンの画面を見ながらコンサルを行います。少しでも興味を持って頂けた方は、公式LINEへの登録と、セミナー、コンサルにお申し込み下さい。あなたのお役に立てるように、全力でサポートさせて頂きます。

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー/世界最大手、スイスのプライベートバンク勤務時代には、金融資産2億円以上の日本を代表する経営者、開業医、事業法人の資産管理を担当。現在は、一般の方から経営者、開業医などの富裕層まで、幅広い顧客にマネー教育に特化したファイナンシャル・プランニング業務を提供している。

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